「草原の像」/月乃助
 

いつの間にか夕餉の団欒の食卓に
像がやってきていた
別段大きくもなく、それで、多分誰も気づかなかった
そこで、
家族会議を開いて詳細を検討してみる
鼻はさして長くなかったが
耳は大きく
歯も八重歯が、牙らしいので、とりあえず
像と言うことで決着した。
種類は、「たべない像」というのはみな分かったので
それは、それで仕方ないと思うことにした。
別の呼び名があっても、たいして変わりはなさそう
だった。

「たべない像」は、最初はちゃんとおいしそうに
なんでも、食べていたので、誰も気づかずにいたらしい
それでも、日がたつにつれ食欲は失せ
細さを増す像は、
手首がも
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