シアワセの国/千波 一也
肩書きは
誰のものにもなるだろう
たとえば悪事を指さして
「シアワセ」と呼ぶ国があったなら
「シアワセガニゲタ」という報告に
どこまでもわたしは喜ぼう
(「シアワセ」の満ちる国はあるのかね
(「シアワセ」の満ちる国は
(理想だろうかね
(「シアワセ」に満ちていようと
(「シアワセ」が不足していようと
(ひとの生きる場所に
(違いはなかろうがね
「シアワセ」が意味するものを
忘れない国があるならば
ただそれだけで
その国は
十分に幸せだろう、
と
わたしはそう思う
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