運命が歩く道で、群青の海に呑まれて/蓮沼 栞
は自分の話をしはじめた。
「わたしきたないんだ。」
愛莉は自分を汚いと言った。
彼氏の兄に恋してしまった自分。彼氏を精神異常者にしてしまった自分。
そんなとき、優しく慰めてくれた文隆に流されて、性的暴力を受ける日々。
逃れたくても逃れられないのは何故と考えて。
考えて考えて。
愛莉が行き着いたのは
“自分が汚い”という事だった。
愛莉は泣いた。
「わたし汚いんだ」
俺は隣に座り群青の海に呑まれながら、
触れる事もせず、ただ黙ってる事しか出来なかった。
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