彼女と僕と真実/HTNYSHR
心のバランスが狡賢く保たれていると言うことは
逆上しきった舞台では掻きむしられた心が曝されている
飛び散った汗が蒸散している
光の色は懐かしい色
裸足の指先はぎゅっと地面を掴んだまま
不器用に震えている
と、言うことではない
小さな庭に転がる錆れたスコップだとか
水たまりに浮いている楠の葉がくるくる回っていることだとか
どうでもいいことを然もありなげな顔をしている
妥協点、いつもそこから始まる朝
めがねを探している
いまさらどうってことでもない
ドラマチックな
展開を期待するのなら左の道をお進みなさい
何時までも消えて
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