高一のとき/吉岡ペペロ
 
高一のときいまで言うパニック障害になった
実力よりうえの学校に入ってすこし疎外感を感じていたから
そのことが原因かな、と思った
電車を自転車に変え
剣道部をバスケに変えた
エレベーターには半年くらい乗れなかった

しかしさほど気にはしていなかった
学校にも普通に行っていたし
普通にさぼってもいたし
部活も教育担当の二年に連行されて続けていたから
夏休み中学の同窓会でボーリングしているとき告白された
ああ、俺にも彼女が出来てしまうんだな、そんなことを思ったのを覚えている

その頃なんかみんながおおげさに見えた
親も妹も友達も先輩も先生も彼女も
そのおおげさなものに自分だけ置いてけぼりをくらっているような気がしてた
あの頃の口癖、いや、ひとりごとみたいなもんだから、胸癖は
みんなおおげさなんだよ、だった

いまで言うパニック障害はいつのまにか消えていた
彼女と自然消滅してしまったことが原因に思えた
たまたま時期が重なっただけのことかも知れないけれど
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