運命が歩く道/蓮沼 栞
 

言葉遊びをして感情を吐き出していると。

様々な人が羽やすめにやって来る。

皆、寂しい人達だった。

初めに声をかけてきたのは18歳の女の子。

彼女は俺を林檎と呼び、
俺は彼女を愛莉と呼んだ。




「私を殺してくれる?」

「俺は君を生かす為にここに来たんだ。」

メールではひどく壊れそうな君、顔を合わせれば沢山笑う女の子で、俺は初め困惑したのを覚えてる。

喫茶店でくだらない話をして笑い合い、

ゲームセンターでポップンミュージックとビートマニアをして、
あわあわしてる俺を見ながら、愛莉はまた笑った。


慣れない空気に帰りたくなって、外に出て煙草を吸っていた。

「甘い匂いだね。」
喫茶店で言われた言葉を思い出して、煙草の火がフィルターまで達するジリジリした熱を、この後の事を考えながらジッと睨みつけていた。


目の前を過ぎる足音は、どこか俺と違う世界の音の様、遥か遠くに聴こえていた。
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