堕ちる/うちゅ〜りん
も 血の色が透けるだけ
手をかざしても 暗い蔭が落ちるだけ
堕ちながらただ見つめることしかできない
それでも私はあなたに会いに行きたかった
私はもうこのまま何もかも忘れて最期まで堕ちていきたかった
どれぐらいの時がたったか
ふと
横をみてみた
すると
同じように堕ちている人がいた
私に笑いかけながら
手を差しのべている
私は手を繋いだ
ふと そらを見上げると
満天の星空に欠けた月がひとつ
もう一度その人を見てみると
その人は泣いていた
私も泣いた
その人も、私と同じように堕ちていたのだ
人生という宇宙の中で
あたたかい
暗闇にいても、怖くなんかないよ
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