小さな小さな女の子/
蓮沼 栞
くなり吹き出して
「どうせ言うなら向日葵とか、大きいのにしなさいよ」
大きさじゃないんだよ
と言いたい気持ちを抑えて
僕は、涙やら鼻水やらでキラキラ光った顔で
くしゃくしゃに笑いころげる君を見ながら
同じように涙にくしゃくしゃになった顔で笑いころげた
小さなサリナは大きくなって
僕のもとを離れていった
サリナの背中は、
あの温かな、春の風を抱えていた
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