遊園地/ふるる
うるう年に生まれたので、四年にいっかいしか年を取りません
目下のもくひょうは人類平和のために
ごはんを残しません
となりのおじいちゃんが言いました
戦時中はこんなぜいたくはできんかった
おじいちゃんの言うぜいたくは
すごくふつうのことです
ふつうじゃないのがぜいたくかと思って
えんそくに行きませんでした
ぼくはひとりでふうふう言いながら丘を登りました
それからおにぎりを食べて
古い遊園地にいきました
遊園地ではハトのふんが雪みたいで
雪の日に出ていったおにいちゃんを思い出しました
ぼくは汗をぬぐって
ハトに持ってきたたくさんのパンの耳を投げて
どんどん沈んでいく夕日
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