曇り空が好きな心/
吉岡ペペロ
曇り空のしたを歩いている
電車に乗っている
お客様に挨拶している
仲間にメールしている
六月の闇は深くなる
雨に濡れた髪はひじきになる
宇宙のからくりをふたつ考える
原因と結果と縁について考える
シンクロニシティについて考える
ひとの内的世界の深さは
ヒマラヤ山脈の高さくらいある
白い花の薫りが濃くなる
そっちは曇り空だと言っている
曇り空が好きになる
あなたは紫露草のようなひとだ
曇り空が好きな心を見つめている
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