リズミカルな性/みぞるる
リズミカルな樹々の風景に佇む俺は
ボーリングのピンのように突っ立ったまま
カウンター越しで待つ、曇った瞳をした青年に
酒を手渡した
幼稚な脚を露にし、
ステージで腰をくねらす女どもが
音符のない白紙五線譜にしか見えない
たとえそれが無限の可能性を秘めているのだとしても…
この森のリズムは崩れない
奴らたらしめるあの楽器がある限り
野郎は野郎のリズムを刻み続ける
空ろな光を
瞳の奥に宿したまま
そうして俺は
そろそろ弾き飛ばして欲しい思いをしていた
五線譜に閉じ込められない愉快な音符どもをもった女が
磨きこまれた床を滑らかに滑り
猛スピードで迫りくる快感を
俺は渇望していた
戻る 編 削 Point(2)