『受容〜千慮の朽ち木は湿に溺れる』/Leaf
 
るのだ



だから翳した陽射しに戸惑う朽ち木は狼狽えずゆるりと朽ちて往くだけで
それはそれで湿潤たる花なのであろう

朽ち木は己のまるで陽射しに揺れる緑膵に埋もれ涙すミンダナオの風となり消え往くのだろう

やがては残された枯れ草が重なり合って互いを労わるようにカサカサと触れ合う音が聴こえるだろう

そしてその残響が消え往く頃には陽射しを陽射しと呼ぶに至る全ての過程を受容するのだろう

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