一七歳の僕がいてー高校時代-/狸亭
高校時代といえば
一九五三年 一五歳から
一九五六年 一八歳までのたったの三年間なのに
そこには僕のカオス 大袈裟にいえば
天地創造の混沌があった
頭の中は吉川英治から太宰治へと
府中市天神町の
杉皮葺き二軒長屋の四畳半と六畳 たった二間の
侘び住居に親子五人が住んでいて
武蔵小金井 三鷹 吉祥寺 西荻 荻窪 高円寺
国分寺 国立 立川へと
行動空間も広がった
来る日も来る日も
太宰だ 英光だ 安吾だ 檀だ 武麟だ
もうもう どっぷりと文学の毒に浸かっていた
現代詩人を知ったのもこの時代
朔太郎の『詩の原理』や北川冬彦『詩の話』
創元社のポエ
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