なし/
及川三貴
深くため息をついて
指の軋みを聞きながら
風に捲れ上がる白と黒の
立ち止まっている時間の
やけに霞んだ太陽は
昔日の色をして
薄闇の縁側で見る
あなたの横顔は
丁寧に折るシャツの
袖に留まるせつなさ
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