灯のそばでうっすらと伸びていた その木の影がわたしの道だった。/瑠王
灯のそばでうっすらと伸びていた その木の影がわたしの道だった。
ひたむきに 踏み外さないよう ゆっくりたどる。
かたくなに 閉じて 進む。
ひかりを割いた道 わたしを護る。
てっぺんに着いて 振り返る。
それは そこに立って わたしを影ごと抱いていた。
ふちどりだけで 体躯は見えず
されども そこにあり 偉大な影であり わたしの道だった。
わたしを影ごと抱いていた。
その木の陰で わたしは生きていた。
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