鏡/鈴木まみどり
あなたを闇と見込んで何度もお願いしていた「言葉の代わりになって欲しい」迂闊だった
知らずにまばたきしていた(、乾いた根は空に向かって伸びるだとか)あなたが好んで身
につけるピンク色。
塗りつぶす際、輪郭は忘れずに縁取ってね。はみださないようにね。たとえば(闇)であ
るあなたが切りだした(わたし)が本当のわたし。わたしは鏡/鏡はわたし。指先なんか
は忠実に頼みます。
わたしが爪を噛んでしまうのは何度だって新鮮に驚きたいからです「硬いことに」美しい
わ贅沢だわで終いには目も持って行かれた。報復で抱いたりしたら乱反射してそれこそ本
意ではないだろう?光のない場所で赤だの青だのに咲
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