待つ/
ねなぎ
た
まったく遅いじゃないか
待ちくたびれた
表面は
冷静に
店内でにやにやしていては
あぶない奴と思われてしまう
反射的に
席を立つ
カップを捨てて文庫を鞄に手早く入れると
携帯の短縮に入れてある
番号をかける
「マルタイは南口方面に移動このままツけます」
「了解」
面取りには成功
表情を戻し視線をぼかす
目の端で彼女の後姿を捉える
考えを消す
仕事が始まる
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Point
(3)