雨の日と日曜日は/nonya
 

無数の雨粒に包囲された
とある休日の午後
僕は僕の形をした部屋を
ひきずっての遊歩道

何度も傘をノックするのは
とあるお節介な日常
僕はミエミエの居留守を使って
知らんぷりの遊歩道

傘のさし方が下手だから
すぐにずぶ濡れになっちゃうけれど
バリアゾーンで守り過ぎた僕の部屋は
カルカルに干乾びているよ

足のはこび方が下手だから
すぐに泥を撥ね上げちゃうけれど
メラノサイトで守り過ぎた僕の部屋は
スラスラで真っ白なままだよ

濡れるのが嫌いだった頃の僕が
三つ目の角を曲がろうとしている
確かにそこは近道なんだけれど
何処かに辿り着けたことがあったっけ

濡れるのがどうでもよくなった僕は
袋小路をゆっくりと行き詰まる

確か君も好きだって言ってたよね
雨を着こなした紫陽花が笑っている

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