見上げたのは同じ空/こめ
 
がらも家族を思い

そして夜空を電車の窓から見上げる

ある学生のカップルは雪が降る公園で

かたを寄り添い互いの愛を噛み締め

ロマンチックな夜空を二人で見上げる

ある老婆は縁側から見える

無邪気に遊ぶ元気な孫を見て

安らぎを感じ空を見上げる

ある社会人は雨が耐えず降り注ぐ

ビルの屋上で今から飛び下りる

遠い地面を見下し

絶望に支配された絶景の

暗く一寸の光もない

最後に見る空を見上げる

ある学生はつまらない授業に

舟を漕ぎながらめんどくさいなと呟いて

飛行機雲が線を描く

真っ青な空を見上げる

僕は誰もいない道路の真ん中で

星を掴みたくて一生懸命ジャンプしながら

このどこまでま広い広い星空を見上げる

この全ては同じ時間に見上げた同じ空

この広い地球っ唯一全てを見ている空の下で

僕らはまた同じ空を見上げていた
戻る   Point(15)