林檎 檸檬 マスカット/瑠王
楓 銀杏(いちょう) ホクシン
眠ることへの恐れ
生を失った色々を美しいだなんて
なんて人間らしい皮肉だろう
手のひらで崩れてしまう宇宙
そして君は隅々まで知っている僕の街
だけど秘密の園がいつも大人の目を盗んでつくられるように
君の子らは雪の下でも人知れず香を焚いている
なんでだろう僕らはどんな駿馬で駆っても泣いてしまう
何処かに足を忘れてしまったから?
幼心の君へ、今も君に名前をつけることができない
音もなく過ぎた砂の一粒一粒を抱擁した房
酸いもあまいも
僕らがテーブルに忘れてきてしまったもの
林檎 檸檬 マスカット
戻る 編 削 Point(1)