ヒナゲシの頃/伽茶
 
父が死んだ


些か早い気もしないが


今は小さな白い灰でしかない


小さい頃は


父と網を持って蝉ばかり捕まえた


その後50円握りしめ市民プールに行ってかき氷を食べた


いつからか


父は私の敵になり


許す事の難しさを与えた


許さなくてもいいのかもしれない


でも頭の隙間を見つけては


許すすべを探した


赤の他人なら無視をすればいい


友達なら上手くかわせばいい


でも血が半分同じだからこそ


許す難しさを知る


ようやく許すと言うより


折れるのが都合が
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