遠くからの音/吉岡ペペロ
 
遠くから靴の音、口笛の音かもしれない

僕は歌うかもしれない
だれにも聞こえない、見えない歌を


詩はあまりに裸すぎて
隠さなきゃならない気持ち隠しきれなくて

ポストは赤くて僕は青くて
言葉はほんとうに無力だった

外野は事実より
くだらない感情に酔いしれている


遠くから靴の音、口笛の音かもしれない

僕は歌うかもしれない
だれにも聞こえない、見えない歌を
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