左目の魔法/
くろねこ
私の小さな娼婦が
右膝を撃ちぬいた
祝祭日は凪に包まれて
杖音は霧の中に響くだろう。
お前には見えるか?
亜麻粒の打擲ははげしく
辺りを燃え上がらせる
全ての断片たちが
渦柱を昇ってゆく。
褥に仰向いた
その左目をのぞけば
過実の香りに呼び戻されて
谺は消えてゆくだろう。
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