やれやれ・・・/よーかん
兄の結婚式でバイオリンを弾いていた
少女はまだ初々しいその演奏に照れていた
未来の世界的バイオリニストの演奏を
聞けただけでも記念になった
そんな事を言って
そのコを笑わせたのを覚えている
十数年ぶりに観たそのコは輝いていた
ステージにいたのは
ストイックなプログレッシブロックバンドを率いて
エレクトリックバイオリンを演奏する
プロミュージシャンだった
夜中に手紙を書いてはいけない
ライブの後
ボクに会いにきてくれたそのコの笑顔は
高校生の頃のまんまで
すでにオジサンになっているボクには
眩しすぎた
夜中に手紙を書いてはいけない
さっきの
前の
意味不明な
音について
愛についての
なんたらかんたらは
ライブの後に
感想を送ろうとして
メールの下書き書いてたら
ダラダラ出てきた想いつき
夜中に手紙を書いてはいけない
やれやれ・・・だ。
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