麻痺/高橋魚
欠け落ちた
びー玉の破片
転々として
とおくとおくへ行ってしまった
昔は
赤く発光していた
生と死を近付けることで、より明るく熱く発光していた
放っておくと
欠けた部分は自然再生された
ようだったが
実のところ
私が無理矢理に縫合したことを私は知っている
欠けた場所は
私が狭い関係を求めることもなくなったので
もう赤く発光することはない
あの欠けらは
認識の外に行ってしまった
私は
空に浮かぶ、千切れた白い綿のように
椅子に座っている
地平線を眺めながら
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