色鉛筆のためのパレット/駄詩出しロボット/海里
駅蕎麦屋さんには
「出汁ロボ」という機械があって
そばつゆボタンと
うどんつゆボタンと
ラーメンスープボタン
それぞれを押せばそれぞれが出てくる
現代詩や、ポエムや、ネット詩も
そんな風でいいと思う
詩人ひとりひとりごとに見た目の違う
凝りに凝ったスープなんかじゃなくていい
未詩も、既詩も、
世紀末詩もただ仕込んでおいて
ボタンを押して出て来てくれるなら
ひとが食べるっていうことを忘れずに
温かいものを
丁寧に作っていてくれさえすれば
それで十分
乗り換えの合間に
次の電車に間に合うように
幾つも幾つも次々に来る次の電車に間に合うように
色鉛筆のためのパレット
駄詩出しロボット
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