faraway/ねことら
 
もなしに、
きっと違うことを考えている




それなりに一日をやり過ごして
気がつけば、夜の淵をのぞきこんでいた
深夜の1K
いつだって、明日への助走なんてはじめられない
空腹だから、といって君は数錠の眠剤をかじり
ぼくはといえば、深夜テレビの大音量の
異国語のような洪水の中で、
どこかにひかりのようなものの気配を
さがしていたりする


ちっぽけな平穏など爆音を立てて崩れ去ってほしいとおもう、
朦々と上がる白煙の中で
ぼくらはセロファン越しの青空を夢想する



ファラウェイ
きみと、光の届かないとても深いところで
さっきみたいに交りあおうか
水槽の中で魚たちがみる
さびしい夢のつづきみたいに、




ファラウェイ
青く光る夜にしずみこんでいく




まもなく、せかいは
きらめきに姿を変える
準備を始めようとしている








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