青い空に飛ぶ窓辺の鳩を/ホロウ・シカエルボク
つ丁寧に歯を磨くのだ
その時も目の端に白い羽がよぎる気がする
白い歯に白い羽、並べてみるとフランスの詩歌のようだ
洗面を離れながら見るともなく窓辺を見ると
それは確かに鳩だった気もするが
白い歯の達成感に比べればそんなことはどうでもいいような気もする
一日の予定が全くなく
たまには出かけてみるのもいいだろうかなんて考えたりもする、そのほうが鳩もさぞかしよく見えるだろう
だけど
この窓辺で見なければ意味がないような気がして
きっと今日も僕はこだわってしまうのだ
この窓辺で見なければ意味がないような気がして
居間で本でも読もうか、そうしながら待とうか
キッチンで何杯か珈琲を飲もうか、そうしながら待とうか
そうしながらも鳩のやつはどこかを飛んでいるのだ
見えない羽はよく羽ばたくものだ
眠ることだけはしちゃいけない
目を開く時間に閉じていたりなんかしたら
あいつらは
きっと調子に乗る
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