青い空に飛ぶ窓辺の鳩を/ホロウ・シカエルボク
 




青い空に飛ぶ鳩を
焦れながら僕は待っていた
いかんせんあいつは気まぐれで
めったに首をこちらに向けることはない
ひたすら窓辺で待っていたところで
いついつに顔を出すなんて約束をするわけじゃない
初めのうちはずっと
快適なソファーを構えて待っていたけれど
そのうちに
待っていればいるほどやつは来ないのではあるまいかという気になって
僕は窓辺のソファーを外す
窓辺のソファーを外して
狭いキッチンの椅子に腰をおろし
珈琲を飲みながら
ときどき窓辺を見やるようにした
マグカップに
カップ麺に
茶漬けに
口をつけていると
[次のページ]
戻る   Point(1)