yume / type_m/nonya
明け方に夢を見た
ミントゼリーを張ったプールに
頭から突き刺さる夢
飛板から身を投げ出した時
迫る水面は
まだ薄青く揺らいでいた
伸びきった指先が
水面を割る直前に
プールは明るく凝固した
気づいた時には
滑らかな皮膚を突き破る
切れないナイフのように
僕は不様な角度で
プールに突き刺さっていた
間髪を容れずに
爽やかで心地よい弾力が
口と鼻を塞ぐ
もがこうにも手足は
清々しさに圧迫されて
動かない
ゆっくりと塗りつぶされていく
意識の端から見たものは
白い手
たおやかに僕を招いている
君の手にとても良く似た
[次のページ]
戻る 編 削 Point(10)