風の谷で青い服を着た少女が桶屋を営む。/あおば
090611
○を書きなさいと言われて
ちびた鉛筆を取り上げる
年老いた今は
ダンガーバルブのように
安定した放電が望めない
ではなくて
ダガーナイフのような
威力がないと
書き直す
鉛筆は軟らかくそれを受け入れる
外貨割り当ての時代
無理して購入した
高級な舶来受像機
修理に修理を重ねて
50年
いよいよお払い箱ですと
デジタル化の日を指を折って待つ
チューナーをつなげば
まだ使えますと申し上げたが
もういいです
真空管も惚けていて
なかなか同期が取りにくく
番組を変える毎に
調整をし直さなく
[次のページ]
戻る 編 削 Point(5)