孤独/吉岡ペペロ
 
 お客さんのところを辞してタクシーで新杉田まで出た。
 新横浜までの車窓からは灰色の雲と灰色の建物、それと六月の緑、新緑は深緑に変わっていた。

 季節は旅をしている、と思う。
 それは空間の旅ではない。
 それは時間の旅でもない。

 宇宙が輪切りにされて幾つも売りに出されている。
 ぼくはそれを店で買い店で食べる。
 ひとりの時もあるし仲間と数人でということもある。

 新横浜までの車窓からは灰色の雲と灰色の建物、それと六月の緑、新緑は深緑に変わっていた。

 ぼくはきょう孤独だ、と思う。
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