滑走の森/マナ
 

つながった穴のおくからきみが、ゆるやかに伝ってくる
しろいしろい救済に掴まれなかったのに
掌がほえたとおもったら
気がついたらきみはねむっていた、とおくに

ふかいふかい迷路のおくで
森がしずかにうなってる
うなる電波のおとによどんでよどんでぼくは
きっと欲情していたのに


 くらい穴で交尾していた。あの音を呼んでいた。
 てにとったら溶けていた。あしたには死んでいた。


富が、幸が、不幸が、欲望が、曲がったら心臓の奥でまっていてね
うすぐらい月のなかで裸でおどる動物にふれてみたら、
もう着地して、
音を発しない動作 しないよ

あの赤いスカートで舞
[次のページ]
戻る   Point(2)