緋恋の指輪/
蒸発王
スは無く
少し黄みがかった
オパールの指輪が転がっていた
光を反射して
碧く朱く光る石のような
忘れた恋が
――いつしか誇りに変わるでしょう――
数分間
呆けたように
指輪をかざしていた私は
彼の鳴らすドアベルの音に
少し笑って
玄関に走っていった
あの指輪を大切にしまって
『緋恋の指輪』
[グループ]
戻る
編
削
Point
(4)