踊るミクロラプトル/ファントム・オブ・フォトン/海里
雨なのであじさいを見に行きます
真水が空から降る星の
不思議を傘で受けとめながらでも七色の八仙花
お酒の雨ならあじさいの
ほろ酔い加減もわかるのに
開いた傘には雨粒の
直径ごとに音程があって
ぱちぽつぴしぱしビニールと
布とで音色が違います
その一方で鼓膜の傘に
空耳するのはひとりごと
水無し月のナルシスたちは
六月にこそ五月蝿くて
自身に対する心変わりを
心の中のかたむきを
降る雨からそんな風に
双樹の川が流れて行きます大量のインテグラルとディファレンシャル
花々の微分積分
戻る 編 削 Point(2)