髪をかきあげて未来へ/吉岡孝次
知っていたさ
それがただ一つの郷愁なのだから
僕は僕 君は君
無言のままで遠くへ行こう
なによりも言葉は青く
虚の果てに月は落ちてく
さあ 透明な心をのせて
有人飛行はどこへ飛ばそう
甘い匂いのしない清潔な耕地へと伸びる
白刃の電化路線には僕が手をあて
伸びてゆく 伸びてゆく
山を二つに割って希望を町へ
笑いながらふりむくきみの足どりは
音のない風を覚ましたよ
なめらかに
景色を抱きあげ道をひらくと
声は花束
靴を鳴らすことだってできる
再会は夏
新種のヒマワリ
たくしあげた左腕で
改札を越える日まで
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