変声期/
山中 烏流
みの声を聞きながら
わたしは
誰かの腕を取り
そのぬくもりを優しいと呼んで
また、きみは
わたしの一番を汚す
*
甲高い声がする。
わたしの喉が鳴って、
同じ声で鳴く。
きみはやはり気付かない。
わたしに気付かない。
わたしがきみを見つめても、
きみにわたしは見えない。
同じように、
きみも、わたしには、見えない。
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