神の詩、片端に記された聖書、ただ落下しては流れてゆく雨の行先/ホロウ・シカエルボク
膜を殴れ、お前のやるべきことはいつだって内なる声を聞くことだったはずだろう?ねえ、俺には昔神様がいたんだ、だけど忘れてしまった、祈りの言葉も、信じた理由も、だけどそれは死んでいない、神という概念ではなくなっただけさ、俺たちが手にしているものは所詮万物の息吹の片端に過ぎないんだ、俺は観念的な祭壇を破壊する、居ない神は祟ったりなどしない、終わった神の呪詛に俺を破壊することなんて出来ない、散乱、散乱、散乱、散乱、砕け飛び散るものたちの形の哀しみを見ろ、それらが荒れた床の上に描き出す無意味な堆積を、だけどこうは思わないか、完結する祈りはある意味幸せだと、そんな風に終わりを迎えることの出来る祈りはある意味でとても幸せなものだと?神は死んだ、神は死んだ、神は死んだ、俺に障りなどありはしない、俺がそれを信じていたのは遠い昔の話だ、信仰の死体が飛び散っている、俺はまた始めなければならない、それが行き先を見定める前に動きださなければならない、確かめながら進む必要などない、どうせその先に何があるのかなんて、万にひとつも理解出来ることなどないのだから。
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