僕と、お昼を。/虹村 凌
 
ですれ違う人人人
街の中で肩がぶつかる程の距離にいる人人人
今日明日明後日
誰かが死ぬかも知れないし誰かが殺すかも知れない
今日も今日とて4000人が生まれて4000人が死ぬ
死ぬ死ぬ死ぬ
あまりにも無造作にそこに転がるそいつが
どこを見ているかわからない目つきで
そうか
そいつと目が合うと死ぬって事か
だからみんなどこを見ているのかわからない目つきで

誰かが言った
「我慢するんだ」
僕は叫ぶ
「我慢できない」

痛いだとか苦しいだとかがもうそこら中に溢れかえって
その事にも麻痺っしちまって気付けないでいる
挙句の果てに全部は闇の中に押し込められて
それだけでみんな頷いて
忘れていく
忘れていく
忘れていく
忘れて
行く

誰かが言った
「我慢するんだ」
俺は叫ぶ
「我慢できない」

冗談じゃねぇ
全てが光だったり闇だったりしてたまるかよ
戻る   Point(2)