飛んでいった昨日/pur/cran
通り雨が過ぎて夕暮れ
虹が出ないかと窓を開ければ
そもさん せっぱと
がなりたてる小学生が
傘を差したまま歩いた
歩道橋が見えた
やることがないので
テレビは壊れたままで
修理に出そうかと悩んで
でもいたずらに時間は過ぎて
いつものように宙を仰いだ
春を待ち侘びる花のように
でんでんでんでん
太鼓の音が公園から聞こえると
祭りだと母が外へ駆けていった
夜には誰もいない廊下をひたひたと
私の歩く音
遠くで囃子の鳴り
ただ虚しく しかし噛み締める
私はここにいる
私はここにいた
でも 明日にはどこかへ
飛んでゆくのか
母とおなじように
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