部屋と/KETIPA
泣い て いた
多くの人が泣いていた
でもこんな羽毛のような悩みで泣いているのは自分だけだと
また多くの人が そう確信して泣いていた
自分だけだと 確信して泣いて
石の粒子が隙間からしみだす水を い
精神安定剤のように服用する
泣いている時だけ自分のことが少し好きになれた という偽り
自分だけ だと泣いていた
自分だけだ と泣いてい た た
彩度の低い冬に
しめしめと泣いていた
星の群集を見上げて泣いている自分は
氷混じりの大気に装飾されていた虚栄の、
一歩成長したか のように滴らせた涙はもう戻らないんだよ
という
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