遠い耳鳴り/
吉岡ペペロ
セックスのあと遠い耳鳴り
あの日の鼓動を耳が覚えている
ふたりで生きてゆくんだと思った
だけどそうはならなかった
月が外灯よりも白かった
青灰いろの道を自転車で歩いた
線路沿いのアパートの畳
電車の光の影が走っていった
セックスのあと遠い耳鳴り
あの日の鼓動を耳が覚えている
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