気味がいー/竜門勇気
れても
触った気がしない
抱いても抱いても
近づいた気すらしない
喋っても喋っても 手紙を書きまくっても
何か伝えられた気がしないのは
なんでだろう なんでだろう なぜだなんでだろう
かさかさの軽口が耳の横を毛羽立てて消えた
乾いても乾いても
飛べる気がしない 羽ねーし
もがいてももがいても
振り払えない
誰かが俺を 縛り付けてると思えれば
そんときは良かったんだ
なぜだ なぜだ なぜだ なんでだろう
明るい陰口で誇りを守ることを覚えても
繰り返し繰り返す出来事はまるで暴力で
いつか来るはずの未来に
怒りをもってしか応えられない
誰かに馬鹿にされ続けてーよ
そしたらちっとはまともな気分になれる
いっつも見下されててーよ
そしたら誰かさんを見下していられる
星の無い公園のゼロ時のあたたかさ
街灯が消えるまでは
ずっと俺の時間
戻る 編 削 Point(0)