暗い橋/
フクスケ
梅雨にうたれながら
名のない暗い橋を渡る
向こう側に行きたい訳でもなく
ただ
濁り始めた広い流れを
見たいため
曖昧に濡れてけむる
遠景を見ようとして
俯瞰ではなく
流れる川の音と
まとわりつく雨と風を感じながら
僕は
風景の中に
風のように
失踪する
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