極小詩集 〜 青い果実 〜/こしごえ
 

冴え冴え見つめる瞬きを
土曜の正午が耕す(水の惑星よ

死の同心円で
すべからく公転すべき生だ。と土にかえる魚影
いくたびもめぐる雲路に私の軌跡
ほほえみあいつつ、春の雪の果て、野焼きなどする










「 春分 」


待ち尽す霊園
しずまりかえり霞も青く

生者の水源の深淵に。
群星する密林を走る水脈

あの一瞬、
船頭の乗せた虹が咆哮を上げる

うしなわれた青い果実
ふたたび実ることのない
ひとみに映る
(んーふふ
 んーふふ
 んーふふふ ん
メメント・モリ
桜花の白く微笑む
蒼空へ立つ雲



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