果てしない物語/
瑠王
、私の観ていた世界が見えてくるだろう。
コバルトブルーの緞帳は幾重にも明けを操り、葛藤を乗せた馬達が大地で踊る。
あの人のカシミヤが艶やかに誘うだろう。
葡萄の房のような鼓動が愛を司る。
土と蜜の香りが毎晩のようにやって来る。
雲は朱色を仄めかして向かう先へと旅だってゆく。
私の麻のストールは褪せてしまった。
しかし年輪は私のうたを象り、私の根は時の秒針と共に永遠に眠るだろう。
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