家族の精度/鈴木まみどり
 
の指はじゅっぽん、結着したまま、ここま
で大きくなりましたので、( 自己 )の内
面とやらを問うべきときがきたのです

             ある日、壁は
                   消
失して、

細胞が律儀に、( わたし )をまるめこん
でいる、膝頭の傷跡のことはそろそろ忘れて
しまってもいいだろう
指先の水分が失われかけたとき、わたしのな
かで近代の幕が開いた
            ( 自己




               思想家たち
がここを地上の楽園だと述べていることは農
夫の振りおろす鍬には関係なく、加速度的に
土をあたた
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