あまりにもつまらなすぎる風景/こめ
モノクロの空を仰ぐ
モノトーンがいくら混ざったって
見える景色は殺伐とした
あまりにもつまらなすぎる
風景だった
地球の軋みを耳で聞き取り
それをしらせようと
必死にみんなに伝えたけれど
そこから得たものは
嘘吐きイソップというあだ名だけだった
信じようとしないから
現実と常ににらめっこ
少し視線をそらせば
今とは違う世界が広がるのにな
乱雑に並んだ落し物ボックスは
日に日にその数を増やしていた
イライラするのはカルシウム不足か
それとも自分自身のふがいなさか
一攫千金を夢に掘り出した穴は
覗けば引きずり込まれそうなほど
深くそして闇に満ちていた
蒼く何処までも透きとおり
潮の匂いを運ぶ海の上で
誰も知らない歌を詠う
その詠声響く海の下では
優雅に游ぐ魚は
銀色に光
太陽を反射していた
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