創書日和【朝】Bitter Sweet Morning/大村 浩一
少年のような朝ばかり
描かなくたって良いだろう
逃走の夢から不意に放り出され
いい気味と薄笑いを浮かべる
覚めている筈の脚がもつれる
5月の太陽はとうに高くて暑い
南方のビジネスホテル
昨夜は降り始めた雨のなかを ※
誰かが遠くへと出て行ったかもしれないが
構わず布団を抱きしめて眠った
ここも丸窓並ぶノスタルジックな繋船ホテルではないので
夜を疾駆したり
電線を唸らせたりはしない
午前7時
あっけらかんと繋がれたまま空は明け
ニュースの順番まで決まっている
誰も情欲を突き刺したりはしない
僕も諦めていて頓着しない
こころがあったらあ
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