金魚さん/蝶澤
 
水の潤いの中に
声が響くの
夏が透けていく
君が居なくなってた

瞳を閉じたくなる程
遠くの空に
消えそうになる
ささやかな音を立てて
金魚はそよぐよ

赤く 白く まだらでも

手をのばして
呼吸を感じて

この境目より
向こうの世界は
どんな味がするのだろう?

君が恋しい恋しい
光が優しい
草原に隠れて
君の事を考えて
天を昇っていく気持ち

手をのばして
綺麗な空気を染み込ませて

無数の泡沫が
果てしない
青い虹ができる

手をのばして
狂おしい痛みと共に








        ユレテ




これは ・・・ 夢?


戻る   Point(2)